アパート修繕費用のまとめ!修繕費の必要性やコストを抑える方法も紹介します
賃貸リフォーム
2024.12.03

「古くなったアパートの設備を交換したいけど、費用はいくらかかる?」「アパートの空室対策はどうしたらいいんだろう…」そんな疑問やお悩みを抱えるオーナーも多いでしょう。
アパート経営で必要不可欠なのが、修繕費用です。建物自体の老朽化や設備の故障、突発的な災害や事故により、多額な修繕費用が必要な場合があります。
さらに、アパートそのものの資産価値を維持し、入居者を確保し続けるためにも、外観や室内設備の改善も欠かせません。長期的な修繕計画と、修繕に向けた資産計画・準備が必要です。
本記事では、札幌市でリフォーム工事を行っている「ドクターホームズ」がアパートの修繕費用に関する情報をお届けします。
オーナーが行うべき修繕とかかる費用・時期の目安を、修繕箇所ごとにわけて詳しく解説します。計画的にアパート修繕を進める方法や、費用を抑えるコツについてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
アパート経営でオーナーが行う4つの修繕と費用相場
アパート経営でオーナーが行う修繕には、以下の4つがあげられます。これらは、入居者が退去するタイミングで行うものもあれば、大規模な破損や故障を防ぐ目的で行うものもあります。
- 原状回復
- 補修
- 予防修繕
- 大規模修繕
アパート修繕に向け適切に対応するためにも、それぞれの修繕費の種類や相場、必要な時期などをしっかり把握しておくことが重要です。
1.原状回復
原状回復とは、アパートの賃貸借契約が終了し入居者が退去した後、部屋を入居時の状態へ戻すことを指します。原状回復は退去時にその都度行うもので、費用は20万円以下が目安です。
原状回復にかかる費用は、入居時に支払われた敷金から差し引かれるのが一般的です。また、ハウスクリーニングのみで済む場合が多いですが、室内の破損や改造など、入居者の過失による修繕費用は入居者が費用を負担します。
一方、国土交通省の定義では、「賃借人の居住・使用による建物価値の減少のうち、故意・過失、善管注意義務違反、または通常の使用を超える使用による損耗や毀損を復旧すること」とされています。
つまり、入居者の不注意でついた傷や汚れなどの修繕費は入居者負担ですが、通常の使用による劣化や損耗はオーナーが負担するのが原則です。
オーナーと入居者のそれぞれが修繕費用を負担する例としては、以下のものがあげられます。
【オーナーが負担】
- テレビや冷蔵庫の黒ずみ(電気ヤケと呼ばれるもの)
- フローリングのワックスがけ
- 家具の設置による床やカーペットのへこみ・設置跡
- 鍵の交換(破損・紛失が無い場合) など
【入居者が負担】
- タバコのヤニ汚れや焦げ跡
- ペット、引越し作業などでできた傷
- 落書きなどの故意による毀損
- 掃除やメンテナンス不足で起きたシミやカビ など
参考:国土交通省住宅局「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
2.補修
補修とは、アパートの劣化や不具合が生じた箇所を実用上問題のない状態に補うことを指します。補修工事は、一定期間ごとに行うものではなく、必要に応じて行われるものです。
例えば、雨漏りなどの設備の不具合や、災害・事故による破損など、突発的な損傷箇所の修繕が補修に該当します。
補修にかかる費用や工事期間は、雨漏りなどの比較的軽微なケース、突発的な災害や事故による中規模以上のケースで大きく異なります。費用は、数万円〜数十万円程度、場合によってはさらに増える可能性が高いです。
突発的な中規模以上の修繕費用は支出予定を立てるのは難しいですが、後述の予防修繕、大規模な定期的修繕を実施すれば、ある程度は回避できるでしょう。
3.予防修繕
予防修繕は、大きな修繕が必要になる前に予防的に行う修繕のことです。不具合が発生する前、軽微な不具合のうちに周期的に行います。
具体例としては、床下のシロアリ防除や屋根・外壁・配管などの劣化調査などがあげられます。また、空室対策のために、室内設備の入れ替えや和室からフローリングへの交換なども予防修繕に含まれます。
予防修繕の頻度は、数年に1〜数回、または入居者が退去するタイミングが一般的です。費用は数万円〜数十万円、物件や修繕箇所によってはさらに増える可能性があります。
4.大規模修繕
大規模修繕とは、予防修繕や通常のメンテナンスでは補いきれない大規模な修繕工事を行うことです。予防修繕の一環として行われており、工事費が高額、かつ工事期間が長期に渡る傾向にあります。
具体例としては、屋根の塗装・新しい屋根材への取り替え、ベランダの防水処置、外壁の塗装・タイルの張り替えなどがあげられます。そのほか、築年数が古い物件の耐震補強工事も大規模修繕に含まれます。
大規模修繕にかかる費用は工事する場所によって異なるため、事前に見積もりを取っておくことをおすすめします。とくに足場が必要な建物の外回りは、数百万円~数千万円と費用が高額なうえ、工事期間も長引く可能性が高いです。
大規模修繕は大掛かりな工事が必要ですが、建物の外観維持や新しい設備導入による不要な事故の防止などのメリットがあります。計画的に予算を立てて修繕を行えば、入居率アップや退去率の低下にもつながるでしょう。
なぜアパート修繕は必要?
アパート経営を長く続けるためには、適切な時期にアパートの修繕を行い、建物の資産価値を高めることが必要です。
入居者は、家賃がやや高めでも、利便性や快適性が高い物件を選ぶ傾向があります。建物や設備にしっかり投資することで、入居率の向上につながります。
アパート修繕は、建物や設備を適切に維持し、安全で快適な居住環境を提供する目的で行われます。修繕を怠り、建物の老朽化が進行すると、入居者に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
例えば、アパート修繕の一例として屋根の防水加工・補修があります。防水加工が耐用年数を超えると、雨水が浸水し水漏れを引き起こすリスクが高まります。水漏れは部屋の浸水だけでなく、漏電などの事故を招く可能性があり、大変危険です。
このような事態を防ぐためにも、アパート修繕は不可欠なのです。
アパート修繕の箇所・費用・時期
アパート修繕の箇所・費用・時期は、建物に使用されている資材や立地によっても異なります。以下は、アパート修繕の種類ごとに、修繕箇所・費用・時期を表にまとめました。ぜひ参考にしてください。
修繕費の種類 | 修繕箇所 | 費用 | 修繕時期 |
---|---|---|---|
原状回復 | ハウスクリーニング 壁紙・フローリングの貼り替え 鍵の交換 など | 数万円~20万円 | 退去時 |
補修 | エアコンの故障 トイレの故障・水漏れ 屋根の雨漏り 給湯器の故障 など | 数万円~数十万円 | 故障・破損したタイミングで行う |
予防修繕 | 屋根 外壁、配管などの 劣化調査・点検白アリ対策 | 数万円~数十万円 | 3年に1回 |
大規模修繕 | 屋根、壁、外壁、外階段などの 防水工事・塗装 など | 数百万円~数千万円 | 10~15年に1回 |
また、築年数が経てば経つほど修繕費用も高額になるため、早めに準備しておくことをおすすめします。修繕費を積み立てる際は、築年数とアパートの建築費の割合で想定するのが一般的です。
アパートの築年数 | 建築費の割合 |
---|---|
1年~10年目 | 0.3%(毎年) |
10年~20年目 | 0.5%(毎年) |
21年目~ | 1%(毎年) |
建物全体の修繕箇所と費用・修繕時期の目安
以下では、アパートの建物全体の修繕箇所・費用・時期の目安を紹介します。とくに屋根や外壁などは、日光の光や熱、雨・雪による水分の影響により劣化が激しく、外観にも関わる箇所です。工事が長期に渡るため、入居者への配慮を忘れないようにしましょう。
また、複数の工事を同時に行うことで、足場の設置期間を共有し、工事費用を削減できる場合があります。
- 屋上防水・ベランダ防水
- 外壁補修・塗装
- 雨樋の修理・交換
- 階段・廊下の補修
屋上防水・ベランダ防水
屋上やベランダの防水工事は、建物の内部に雨水が入らないために必要な工事です。雨漏りによる被害、雨漏りが原因の二次被害から入居者や建物を守る役割があります。
防水工事は、工事内容や工法、劣化状態によっても異なりますが、10年〜15年ごとに行うのが一般的で、費用目安は1㎡あたり8,000円〜10,000円程度が目安です。
工法 | 費用の相場/㎡ | 目安時期 |
---|---|---|
ウレタン防水 | 2,500円~7,000円 | 約10年~13年 |
塩ビシート防水 | 2,100円~7,500円 | 約12年~15年 |
FRP防水 | 4,000円~7,500円 | 約10年~15年 |
アスファルト防水 | 5,000円~8,000円 | 約12年~20年 |
※参照元:プロタイムズ公式サイト
外壁補修・塗装
アパートに限らず、建物の外壁は日光、風、雨、雪、雹(ひょう)など、さまざまな自然現象に常にさらされている箇所です。ひび割れやシーリング部の劣化、汚れ、色褪せなどにより、建物の外観を損なうだけでなく、放置すると耐久性が低下しやすい箇所でもあります。
また、防水・防熱のための塗装は10〜15年ごとが目安ですが、外壁の仕上げ材によって耐用年数は異なります。さらに、建物の状態や気候条件によっても異なるため、目視で劣化を判断するのではなく、専門業者に点検してもらうことをおすすめします。
塗料の種類 | 費用の相場/㎡ | 目安時期 |
---|---|---|
シリコン塗料 | 2,500円~3,000円 | 約10年~13年 |
ラジカル制御塗料 | 3,000円~4,000円 | 約12年~15年 |
フッ素塗料 | 3,500円~5,000円 | 約15年~20年 |
無機塗料 | 4,000円~5,500円 | 約15年~25年 |
※参照元:街の外壁塗装やさん 東京支店 公式サイト
雨樋の修理・交換
雨樋(あまとい)は、建物の屋根に降った雨水をまとめて地面や排水設備に流す役割があります。雨樋の破損や劣化を放置し続けると、水が正常に排出されなくなり、外壁の劣化・雨漏りの発生・建物の基礎部分の劣化を早めるなどのリスクにつながります。
雨樋の法定耐用年数は15年ですが、修理・交換には足場の設置が必要です。足場代の費用が発生するため、屋根や外壁の工事と合わせてメンテナンスすればある程度のコストを抑えられます。
修理・交換方法 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
部分修理 | 3万円~5万円 | 都度 |
全体の修理・交換 | 20万円~40万円 | 約20年~25年 |
雨樋の清掃 | 1万円~3万円 | 都度 |
※参照元:ミツモア公式サイト
階段・廊下の補修
2階建てのアパートでは、階段が屋外に設置されているケースも少なくありません。外階段は雨風の影響を受けやすく劣化しやすいため、老朽化を防ぐための定期的な塗装工事や防水工事が必要です。
また、手すりや鉄柵など、さびやすい設備については、防さび加工で劣化を防ぐ必要があります。
アパートの共用廊下は日常的に利用されるため、消耗や劣化、汚れが生じやすい箇所です。また、入居者や来客者の目につきやすい場所でもあります。見た目や清潔さを維持するために、定期的なメンテナンスが必要です。
修理・交換方法 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
塗装(手すりなどの鉄部塗装) | 10万円~20万円 | 約4年~10年 |
防水加工 | 20万円~50万円 | 約10年~15年 |
階段の架け替え | 50万円~100万円 | 約10年または破損 劣化が目立つ場合 |
※参考元:エスケー株式会社公式サイト
室内設備の主な修繕箇所と費用・修繕時期の目安

アパートの室内設備は使用頻度が高く、入居者から故障や不具合の申し出が多い箇所です。また、入居者が物件選びで重視するポイントのひとつでもあります。
給湯器修理・交換
給湯器は、お風呂やシャワーなどで毎日使う設備です。お湯が出ないなどの不具合が起きた場合には、早急に対応する必要があります。
5〜10年ごとに点検・修理、11〜15年ごとに交換するのが望ましいですが、入居者の使用頻度や状態によっては、それよりも早く交換しなければならない場合もあります。
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
給湯器の点検・修理 | 7,000円~5万円/台 | 約10年~12年 |
給湯器の交換 | 10万円~15万円/台 | 約10年~12年 |
※参照元:アドテックサービス株式会社
浴室(ユニットバス)修理・交換
水周りは、入居者が物件選びの際に重視するポイントのひとつです。経年劣化による汚れや破損が目立つ箇所は修繕し、清潔感のある状態を維持しましょう。
また、床や壁などの修繕費用は、一般的に5〜20万円程度です。そのほか、お湯が出ない、浴槽の破損などの故障が発生した場合には、その都度速やかに対応します。
浴室の換気扇や水栓などの部品の耐用年数は約10年、ユニットバスの耐用年数はおよそ20年が目安とされています。そのため、10年を目安に部分的な交換を行い、20年経過した時点で全体の入れ替えを検討するのが望ましいでしょう。
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
シャワーの修理・交換 | 9,000円~3万円 | 都度または約10年 |
蛇口・水栓の修理・交換 | 7,000円~3.5万円 | 都度または約10年~15年 |
換気扇の修理・交換 | 5,000円~15万円 | 都度または約10年~15年 |
床の修理・塗装 | 3万円~30万円 | 約20年~30年 |
浴槽の補修・塗装 | 9.5万円〜15万円 | 約20年~30年 |
浴槽の交換 | 20万円〜60万円 | 約20年~30年 |
※参照元:リフォスム
洗面台修理・交換
洗面台についても、浴室と同様に、故障が発生した場合は速やかに対応しましょう。10年ごとに部分的な交換を行い、20年経過した時点で修理や交換を検討するのが望ましいです。洗面台の耐用年数は種類にもよりますが、一般的には15〜20年とされています。
ただし、ファミリー向け賃貸物件では使用頻度が高いため、劣化が早まる可能性があります。劣化のサインには、洗面ボウルのひび割れ、シャワーホースからの水漏れ、キャビネットの破損などがあげられます。
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
水漏れ修理 | 0.5万円~1万円 | 都度 |
蛇口・水栓の修理・交換 | 2.7万円~3.5万円 | 約10年 |
洗面ボウル修理・交換 | 3.5万円~11万円 | 約10年 |
洗面台の交換 | 7万円~20万円 | 約15年~20年 |
洗面台リフォーム | 5万円〜30万円 | 約15年~20年 |
※参照元:リフォスム
トイレ(ウォシュレット)の修理・交換
トイレは毎日使用する設備であり、交換や修理が必要になる頻度が高い場所です。水漏れや詰まりが原因で使用できなくなると、入居者に不便を与えるだけでなく、下階や隣接する部屋への水漏れによる深刻な二次被害を引き起こす可能性があります。
そのため、故障時には迅速に対応し、寿命が近い場合は早めの交換を検討することが重要です。なお、トイレの耐用年数は、約10年が目安です。費用は、トイレ本体のグレードや工事内容によって大きく異なります。
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
タンク内部品交換 | 0.8万円+部品代 | 都度 |
水漏れ修理 | 1万円~ | 都度 |
壁や床の張り替え | 3万円~ | 都度 |
トイレ本体の設備交換 (和式から洋式) | 15万円~75万円 | 都度または約10年 |
トイレ本体の設備交換 (洋式から洋式) | 515万円~35万円 | 約都度または約10年 |
キッチン周りの修理・交換
システムキッチンや流し台の法定耐用年数は15年です。ただし、キッチン周りは、室内設備のなかで使用頻度が高く、設備の劣化が早い可能性もあります。また、汚れが蓄積しやすいため、退去時のタイミングで部分交換や入れ替えなどを行うのが望ましいです。
キッチンにガスコンロを設置している場合には、メーカーが推奨する交換時期に合わせて入れ替えます。一般的な交換頻度は約8〜10年で、費用は1台あたり5万〜15万円が目安です。
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
ガスコンロ修理 | 7,000円~ | メーカー推奨の交換時期 |
ガスコンロ交換 | 5万円~20万円 | メーカー推奨の交換時期 |
ミニキッチン交換 (設置費用込み) | 20万円~50万円 | 約10年~20年 |
セクショナルキッチン交換 (設置費用込み) | 30万円~60万円 | 約10年~20年 |
※参照元:リフォスム、EPARKくらしのレスキュー、ガス給湯器交換サービス
エアコン修理・交換
エアコンの法定耐用年数は、15年です。ただしエアコンが古くなると、稼働効率が低下し電気代がかさんだり、内部に汚れやカビが蓄積して嫌な臭いが発生したりするなどの不具合が起きやすくなります。
メーカーの推奨使用年数や修理部材の保有期間が10年であることから、設置から10年経過した時点で交換を検討すると良いでしょう。
また、最近のエアコンには省エネタイプや自動お掃除機能付きの製品も多く登場しています。そのため、最新のエアコンを導入することをアピールすれば、空室対策としても有効です。
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
エアコン点検・修理 | 0.5万円~10.5万円 | 都度 |
エアコン交換 | 6万~15万円 | 約10年 |
撤去費用 | 0.5万~3万/台 | 都度 |
クロス・クッションフロア貼り替え
アパートのクロスやクッションフロアなどの内装は、汚れや傷がつきやすい箇所です。クロス壁の場合は、毎日の料理などの油汚れや排煙、タバコのヤニや匂い、日光による日焼けや変形など、さまざまな要因で汚れが蓄積されます。
そのため、退去時の原状復帰のタイミング、または6〜8年程度で張り替えるのが一般的です。費用は、1㎡あたり1,000円〜1,500円が相場ですが、壁紙の素材などによって異なります。
また、クッションフロアに関しては、家具の運び入れする際の傷やペットによるひっかき傷で劣化するケースが多いです。
ファミリー層向けの物件であれば、おもちゃなどの落下によるへこみや食べ物のシミなどが目立ちやすいでしょう。張り替えのタイミングとしては退去時、または10年程度が目安です。
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
クッションフロア | 2,000円~5,000円/㎡ | 都度 |
壁クロス | 1,000円~1,600円/㎡ | 都度または約6~8年 |
給排水管の修繕箇所と費用・修繕時期の目安
給排水管も他の設備と同様、経年劣化していくものです。建物内部に組み込まれているため、ひびや汚れ、破損などの劣化状態は目視できません。
蛇口からの赤水や白濁水、臭気、排水不良などは劣化している兆候ですが、いずれも入居者でなければ気付けないものです。
また、配管の劣化を放置し続けていると、さび・破損による漏水や詰まりが起き、室内が水浸しになるなどのトラブルにつながります。こうしたトラブルを回避するためにも、定期的なメンテナンスが必要です。
給排水管の場合
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
排水管洗浄 | 5万円~10万円/回 | 1年に1~2回 |
給水管洗浄 | 3万円~5万円/戸 | 1年に1~2回 |
部品修理 | 3万円~5万円/1カ所あたり | 約10年 |
漏水調査 | 5万円~10万円/回 | 都度 |
給水管更新 | 30万円~50万円/戸 | 約30年~40年 |
給湯管更新 | 20万円~40万円/戸 | 約20年~30年 |
排水管の場合
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
部分補修 | 5万円~10万円/1カ所あたり | 約15年~ |
更生工事 | 2万円~4万円/1㎡ | 約19年~23年 |
全面交換 | 50万円~100万円/戸 | 約30~40年 |
※参照元:住宅ノート
その他建具などの修繕箇所と費用・修繕時期の目安

アパート修繕は、外壁・屋根などの補修だけではありません。窓やサッシなどの外部建具も、定期的な修理・交換が必要です。また、駐車場や駐輪場、フェンスなども車・自転車による擦り傷、破損が目立ちやすい箇所のため、定期的なメンテナンスが必要です。
外部建具の修理・交換
玄関のドア、窓、バルコニーやテラスのサッシなどの外部建具についても定期的なメンテナンスが必要です。建物の防犯性や断熱性、遮音性に関わるため、忘れずしっかり補修しましょう。
外部建具は、10〜15年目の大規模修繕の際に点検・調整を行い、ドアクローザーや蝶番などの部品に不具合があれば交換し、錆や塗装剥がれが見られる場合には塗装処理を施します。
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
玄関ドア交換 | 20万円~40万円/枚 | 約15~30年 |
窓サッシ交換 | 3万円~6万円/1㎡ | 約20~30年 |
ドアクローザー交換 | 1万円~2万円/台 | 約15年~20年 |
※参照元:住宅ノート
外構(駐車場・フェンスなど)
アパートの通路、駐車場、フェンスなどの外構は、約20年で交換・工事が必要となります。とくに駐車場は、アスファルト舗装にできたひび割れや穴をそのままにしておくと拡大します。外観維持や入居者の安全にも関わるため、早めに対処しましょう。
また、工事期間中は入居者の車の移動も必要です。そのため、工事に合わせて代替の移動スペースを用意しなければなりません。
工事内容 | 費用の相場 | 目安時期 |
---|---|---|
アスファルト補修 | 3,200円~5,000円/1㎡ | 10年~15年目の大規模修繕工事で実施 |
フェンスの塗装・修理 | 1,4,000円~1万円/1㎡ | 約5年~10年 |
※参照元:M・Kロード株式会社、アスレス株式会社
アパートの修繕費を抑えるためのポイント
修繕費を抑えるためにも、以下の3つのポイントが重要です。
- 入居者審査を確実に行う
- 不具合が発生する前に、定期的に修繕を実施する
- 修繕費用も計画に入れた建築プランを採用する
賃貸契約時には、入居者審査をしっかり行うことが大切です。その理由は、マナーが悪い入居者の場合、部屋を常軌を逸した使い方をする可能性があるからです。
また、エアコンやトイレなど、定期的な清掃・メンテナンスを怠り、寿命を短くしてしまう場合も考えられます。なるべく、退去時にきれいな状態で部屋を返してくれる入居者を選ぶようにしましょう。
軽微な劣化・破損だからといって、そのまま放置し続けると、大掛かりな修繕が必要となる恐れがあります。とくに、壁の小さなひび割れや雨樋の故障・破損などは雨水が侵入し、水漏れを起こす恐れがあります。
水漏れは部屋に住めないばかりか、漏電などの危険なリスクを伴います。そのため、軽微な故障であっても速やかに対処するようにしましょう。
これからアパート経営を考えている場合には、修繕費用も計画に入れた建築プランを構築することをおすすめします。
建築プランの計画に修繕費を加えれば、将来的に必要な修繕費用の見込みや修繕時期の目安が把握できるため、塗装のグレードを変えたり屋根の設備を検討したりと、修繕費用のコスト削減に向けた対策が可能です。
計画的にアパート修繕を進める方法

アパートの修繕は、不具合により都度対応するものから、予防目的で行うものなどさまざまですが、ほとんどは定期的なメンテナンスで行うものが多いです。
とくに大規模修繕では、高額な費用と大掛かりな工事が必要なため、あらかじめ長期修繕計画を立てておくことが重要です。また、室内設備はおよそ10年ほどで交換が必要となるものが多いため、あらかじめ計画に盛り込んでおくと良いでしょう。
前述の通り、修繕費用は早めに準備する必要があります。アパートの築年数と建築費の割合を考慮しながら、コツコツと貯めておきましょう。
アパートの築年数 | 建築費の割合 |
---|---|
1年~10年目 | 0.3%(毎年) |
10年~20年目 | 0.5%(毎年) |
21年目~ | 1%(毎年) |
まとめ
今回は、オーナーが行うべきアパート修繕の内容と必要性、アパートの箇所ごとの修繕費用の相場・時期の目安、修繕費用を計画的に進めるコツや費用を抑えるためのポイントについて解説しました。
アパートの修繕は入居者の安全の確保やアパートの老朽化や劣化を防ぐ目的があります。また、アパート修繕でメンテナンスをしっかり行うことでアパートの資産価値を高めるメリットも得られます。
そのため、アパート修繕に向けた修繕計画を立て、早い時期から修繕費用を積み立てていくことが重要です。
アパート修繕はドクターホームズにお任せください
札幌市の「ドクターホームズ」では、賃貸物件のメンテナンス・修繕のトータルサポートを行っています。
オーナーの皆さまが直面するさまざまなお悩みは、ドクターホームズにお任せください。
- 現状回復や予防修繕したい
- トイレが水漏れした
- エアコンを入れ替えしたい
- アパートの壁のひび割れをなおしたい
- 屋根防水にはいくらかかる?
- 排水管のメンテナンスはどこに頼んだらいい?
- 空室対策したい
- 空き家について相談したい
「こんなことできるかな?」と思ったら、まずはご相談ください。
お客様一人ひとりの想いに寄り添い、最適なリフォームプランをご提案いたします。
ご家族皆様が笑顔で暮らせる、そんな住まいづくりを、私たちにお手伝いさせてください。
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