賃貸のエアコンが古い・交換して欲しいと言われたときの対処法!交換すべきタイミングや費用相場を解説
賃貸リフォーム
2025.01.01

「入居者から、賃貸のエアコンが古いから交換して欲しいと言われたけどどうしたらいい?」そんなお悩みを抱えていませんか?
エアコンは生活していくうえで、欠かせない設備です。アパート経営においても、入居者が快適に過ごせるよう、適切なメンテナンスが求められます。とはいえ、古いエアコンの交換時期の目安や費用の相場がわからないものです。
そこで本記事では、札幌市でリフォーム工事を行っている「ドクターホームズ」が賃貸物件の古いエアコンの交換に関する情報をお届けします。
賃貸の古いエアコンを交換してほしいと言われたときに確認すべきポイントや、オーナーに交換義務が発生するケースを詳しく解説します。
さらに、古いエアコンを交換した場合のオーナーにとってのメリット、かかる費用相場もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
賃貸の古いエアコンを交換してほしいと言われたときに確認すべきポイント
入居者から「エアコンが古いので交換してほしい」と言われた場合、故障や不具合がない限り、基本的に応じる義務はありません。
ただし、訴えの裏には隠れた不具合が潜んでいる可能性も考えられます。
また、エアコンの耐用年数を超えている場合は、動作に問題がなくても早めに交換し故障リスクを減らすのもひとつの方法です。
これらの事情を加味し、適切に判断するためにも以下のポイントを確認すべきです。
- エアコンが故障していないかを確認
- エアコンの設置年数を確認
- エアコンの所有権を確認
エアコンが故障していないかを確認
まずは、エアコンが故障していないかどうかを確認しましょう。入居者の「古いエアコンを交換して欲しい」という訴えには、古くて寿命だと感じる症状が現れている可能性があります。
古くてもまだ使える状態であればオーナーに交換義務は発生しませんが、故障や不具合が起きている場合には速やかに対処しなければなりません。
また、故障や不具合が生じている場合でも、フィルターの清掃や室外機の移動などのメンテナンスで改善される可能性もあります。
エアコンに関する入居者とのトラブルを避けるためにも、入居者へ交換希望の理由をしっかりヒアリングし、それに沿った適切な対応を心がけることが大切です。
エアコンの設置年数を確認
賃貸の古いエアコンを交換すべきか判断する際は、エアコンの設置年数を確認しましょう。国税局のデータによると、家庭用エアコンなどの「冷房用・暖房用機器」の法定耐用年数は6年とされています。
さらに、メーカーによっても異なるものの、エアコンの標準使用期間は10年が一般的です。そのため、賃貸のエアコンが10年前後の場合は新しいエアコンに交換し、経年劣化による故障や不具合を未然に防ぐのをおすすめします。
また、エアコンメーカーの修理用部材の所有年数も約10年が目安です。設置年数によっては修理用部材がなく、交換しなければならないケースもあります。
エアコンの所有権を確認
賃貸の古いエアコンの交換義務は、必ずしもオーナーに発生するとは限りません。賃貸借契約書や、賃貸契約時の重要事項説明書にエアコンが設備として記載されているかを確認しましょう。
エアコンが設備として設置されている場合、その所有権はオーナーにあります。
そのため、交換や修理の義務もオーナーに帰属します。
ただし、入居者が通常の使用範囲を超えた利用をしたり、故意または過失により破損させたりした場合には、その修理費用は入居者が負担することになります。
エアコンが設備ではない場合、入居者が取り付けたエアコンである可能性が高いです。その場合、交換や修理の義務は入居者に発生します。また、前の入居者が残した残置物であるケースもあります。
この場合も、基本的には入居者に交換や修理の義務が発生します。ただし、正確な対応については、賃貸借契約書や賃貸契約時の重要事項説明書に記載された取り決めを基に判断する必要があります。
賃貸の古いエアコンの交換義務が発生するケース
賃貸の古いエアコンが単に古いだけでは、オーナーに交換する義務は発生しません。しかし、交換すべきかどうか判断に迷うケースもあるでしょう。
基本的に、オーナー負担でエアコンを交換しなければならないときは、該当のエアコンが賃貸の設備だった場合、かつ故障や不具合が生じている場合のみです。
ここからは、オーナーに賃貸物件の古いエアコンの交換義務が発生するケースについて、詳しく解説します。
- 賃貸物件の付帯設備として設置されている場合
- 耐用年数を過ぎている場合
- 古いだけでなく故障している場合
賃貸物件の付帯設備として設置されている場合
エアコンが賃貸の設備である場合、かつ経年劣化などの故障や不具合が発生した場合は、オーナー側に交換義務が発生します。エアコンを含めた賃貸の設備については、賃貸借契約書や賃貸契約時の重要事項説明書に記載されています。
賃貸契約書では賃貸借の目的物として「住戸部分」が記載されており、重要事項説明書では「建物の設備と整備状況」の項目で、備え付けられている設備の確認が可能です。
ただし、エアコンが前の入居者の残置物であった場合、これらの書類上では設備として扱われません。残置物は入居者に修理や交換の義務が発生しますが、修理や交換について特記がある場合は、その記載内容に沿った対応が必要です。
耐用年数を過ぎている場合
交換義務とまではいかないものの、古いエアコンの耐用年数が過ぎている場合、かつ賃貸の設備の場合には新しいエアコンへの交換を検討すべきです。耐用年数が過ぎていると、部品の摩耗や劣化による不具合、退去率の上昇などのリスクが高まります。
- 故障や不具合が頻発する
- 修理が困難になる
- 入居者の満足度が低下し、退去率の上昇につながる
耐用年数を超えている場合、まだ使用可能であっても、これらのリスクを避けるために新しいエアコンへの交換を検討することをおすすめします。
古いだけでなく故障している場合
賃貸物件のエアコンが古いだけでなく故障している場合、オーナーは速やかに対応する必要があります。万が一、故障や不具合が生じていることを認識しながら放置した場合、賃料の減額などの問題が発生する可能性があります。
これは、2020年4月の民法改正により、賃貸物件の貸室や設備に不具合があり使用できない場合、オーナーが使用不可の日数に応じて家賃を減額する義務を負うためです。
公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会のガイドラインによると、賃貸のエアコンが使えない状態だった場合、以下の計算式で賃料の減額義務が発生する可能性があるとされています。
- 月額の賃料×10%×(使えなかった日-免責日数3日)÷30日
※免責日数とは、代替品の準備や修理などにかかる日数を算出したもので、減額割合の計算日数は含みません。
例えば、家賃6万円の賃貸物件で、経年劣化などが原因でエアコンが故障し、5日間使えなかった場合の家賃の減額料は400円です。
賃貸の古いエアコンを交換するメリット

賃貸の古いエアコンの交換は入居者だけでなく、オーナーにとってもいくつかのメリットがあります。新しいエアコンを設置すれば物件の資産価値が高まり、入居希望者の候補に選ばれる可能性もあります。
また、故障リスクを低減し、入居者から賃料減額を求められるなどのトラブルを防ぐことも可能です。
- 賃料アップが期待できる
- 空室対策として効果的
- 故障リスクを未然に防げる
賃料アップが期待できる
古いエアコンを新しいものに交換することで、賃料アップの交渉につながりやすくなります。エアコンは、特に夏場には欠かせない設備です。
省エネタイプやお掃除機能を搭載した新しいモデルを設置すれば、賃貸物件の資産価値が高まり、賃料アップできる可能性があります。
ただし、入居者へ賃料アップの交渉を行う場合、家賃値上げの正当な理由が必要です。家賃値上げの正当な理由として認められる例は、以下の通りです。
- 不動産物件の維持費や税金の上昇
- 不動産物件の資産価値の上昇
- 周辺の不動産物件の相場よりも家賃が安い場合 など
例えば、古いエアコンと同等スペックのエアコンへ交換しただけでは、家賃値上げの正当な理由とはいえません。あくまで、アップグレードしたエアコンに限ります。
空室対策として効果的
賃貸物件の空室対策のひとつとしてあげられるのが、リフォームです。古くなった設備から新しい設備に交換すれば入居者の快適性が向上し、その結果、退去率を下げる効果が期待できます。
なかでもエアコンは、リフォーム対象の設備の中で費用や工期を抑えて改善できる設備です。
- エアコン交換の工期目安:1〜2時間程度
- エアコン交換にかかる費用の目安:約7万円〜15万円(工事費込み)
さらに、高機能なエアコンに交換し、その特徴をアピールポイントにすれば、ライバル物件との差別化にもつながるでしょう。
故障リスクを未然に防げる
古いエアコンを新しいエアコンに交換することで、故障リスクの予防につながります。先ほども述べた通り、エアコンの耐用年数は約10年が目安です。耐用年数が近いエアコンは故障が頻発する可能性が高く、修理が困難な場合もあります。
万が一、暑い夏や寒い冬に経年劣化によりエアコンが故障してしまうと、入居者からのクレームにつながりかねません。したがって、耐用年数を超過したエアコンは計画的に入れ替えし、故障を未然に防ぐことが大切です。
賃貸の古いエアコン交換の費用相場

賃貸物件のエアコン交換にかかる費用項目は、エアコン本体と設置工事の2つです。さらに、古いエアコンの撤去工事費用やリサイクル費用が発生する場合もあります。
これらの費用は、確定申告で経費として計上できる可能性があるため、忘れずに申告しましょう。
以下では、エアコン交換にかかる費用の相場について詳しく解説します。
- エアコン設置工事の費用相場
- エアコン撤去工事の費用相場
- 費用を経費計上して節約する方法
エアコン設置工事の費用相場
まずは、家庭用エアコンの本体代金は性能や機能、畳数、寒冷地仕様の有無によって異なります。一般的な価格の相場は、6〜10万円程度を見積もっておくと良いでしょう。
取り付け工事にかかる費用も工事業者によって異なりますが、1〜2万円程度が一般的です。さらに、設備状況によっては配管や電気工事などの追加工事が必要なケースもあります。
取り付け工事費用込みのエアコン交換の費用相場は、次の通りです。
対応畳数 | 費用相場 |
6畳用 | 6万6,000円~ |
8畳用 | 7万1,500円~ |
10畳用 | 8万5,000円~ |
12~18畳用 | 10万2,000円~ |
参照元:ライフテックス「賃貸のエアコン交換は無料でできる?交換時の手順や注意点を解説」
エアコン撤去工事の費用相場
賃貸の古いエアコンを新しいエアコンに交換する際は、撤去費用がかかります。撤去費用の目安は6,000円程度ですが、エアコンの室外機の種類によっては、追加費用が発生する可能性が高いです。
そのほか、古いエアコンを業者に引き取ってもらう場合には、リサイクル処分料と収集運搬費が発生します。
項目 | 費用相場 |
エアコン本体(6~12畳用) | 6,000円 |
エアコン本体(14畳用~) | 8,000円 |
リサイクル処分料 | 990円 |
リサイクル収集運搬料 | 1,000円〜4,000円 |
その他、追加工事費用の相場
室外機の設置場所の状況 | 費用相場 |
室内機が2階、室外機が1階の場合 | 5,000円 |
屋根置き | 8,000円 |
壁掛け | 8,000円 |
公団吊り | 9,000円 |
立ち下ろし | 7,000円 |
参照元:エアコン販売・工事のお店 エアコン本舗「工事料金表」
費用を経費計上して節約する方法
賃貸の古いエアコンを交換した場合は、その費用を確定申告で経費として計上できる可能性があります。エアコン本体の購入費用のほか、工事費用、修理代金、エアコンクリーニング代も経費として見なされるため、申告し忘れないようにしましょう。
なお、確定申告の際は、設置工事費を含めた1台あたりのエアコンの費用金額、および一定の要件によって処理方法が異なります。
エアコン購入費用 | 処理方法 |
10万円未満 | 「消耗品」として経費計上 |
10万円~20万円未満 | 「一括償却資産」として3年償却 |
20万円以上 | 原状回復なら「修繕費」、高グレード品なら「資本的支出(減価償却)」 |
30万円未満(青色申告) | 「少額減価償却資産」として即時経費計上※年間合計300万円までが上限 |
参照元:クラウド会計ソフト freee「経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識|エアコンの勘定科目とは?経費計上できないパターンと消費税との関連について」、エイブル「大家さんになったら知っておきたい経費の種類と確定申告の節税テクニック|オーナー向けサイト」
まとめ
この記事では、賃貸の古いエアコンの交換について、エアコンの交換を要求されたときの対応方法、交換を判断すべきポイント、エアコン交換の費用相場などを詳しく解説しました。
賃貸の古いエアコン交換は、単に古いだけではオーナーに交換する義務は発生しません。しかし、エアコンが賃貸の設備であり、故障している場合には速やかに対応しなければ、賃料減額を求められる可能性があるため注意が必要です。
また、エアコンの寿命は約10年と言われています。10年を超過、またはそれに近い場合には早めに新しいものに交換し、空室対策や故障リスクの低減につなげるのもひとつの方法です。
賃貸のエアコン交換の判断に迷う際は、ぜひ本記事を参考に適切な対応をご検討ください。
賃貸の古いエアコン交換は「ドクターホームズ」にお気軽に相談ください
ドクターホームズでは、札幌市を中心に、賃貸物件のエアコン交換やリフォーム工事を承っております。 エアコン交換に関するご相談やご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
札幌市の「ドクターホームズ」では、賃貸物件のメンテナンス・修繕のトータルサポートを行っています。
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