賃貸エアコンは10年経ったら交換するべき?交換時期・費用の相場について解説

賃貸リフォーム

2024.12.23

賃貸エアコンは10年経ったら交換するべき?交換時期・費用の相場について解説

「入居者からエアコンを交換してほしいと言われたけど、どうしたらいい?」「エアコンは10年経つと使えない?」そんな、悩みや疑問を抱えているオーナーもいるでしょう。

エアコンの寿命は、一般的に10年といわれていますが、使用頻度や状態によっては、それよりも早く劣化する場合があります。

エアコンは、賃貸物件にとって重要な設備です。故障してからの対応では、物件への評判や入居率にも悪影響を及ぼす可能性があります。とくに猛暑や極寒の時期にエアコンが故障してしまうと、入居者の生活に影響を与えかねません。

入居者との無用なトラブルを防ぐためにも、賃貸物件におけるエアコン交換の知識を深めましょう。

本記事では、札幌市でリフォーム工事を行っている「ドクターホームズ」が賃貸物件のエアコン交換に関する情報を詳しく解説します。賃貸物件のエアコンの寿命(経年劣化)の目安、エアコンの管理義務、エアコンの交換費用、よくある質問・回答も紹介します。

賃貸物件のエアコン交換についてお悩みのオーナー・大家さんは、ぜひ最後までご覧ください。

賃貸エアコンは壊れていなければ交換する義務はない

エアコンなどの室内設備が古くなり、入居者から交換してほしいと要望を受ける場合があります。ただし、故障していて使えないならともかく、古くても使える状態だと、交換すべきかどうか判断が難しいでしょう。

結論から言うと、故障や不具合がないエアコンは、オーナーに交換する義務はありません。

その理由は、物件の築年数や設備のグレードに基づいて家賃が設定され、入居者もその条件を承知のうえで契約しているためです。

しかし、古すぎるエアコンは、入居者の退去や入居希望者の申し込み辞退などのリスクがあります。そのため、エアコンが古い場合にはエアコンの状態や入居者の快適性を踏まえ、交換の必要性を検討することが重要です。

賃貸エアコンの寿命・交換時期の目安

賃貸エアコンの寿命・交換時期の目安

エアコンの交換が必要な場合に備えて、エアコンの寿命・交換時期の目安を把握しておくことが大切です。以下では、エアコンの寿命と交換の目安について、詳しく解説します。

メーカーのアフターサポート期間は10年

賃貸物件に設置されている家庭用エアコンのメーカーサポート期間は、一般的に10年とされています。その理由は、多くのメーカーがエアコン各モデルの修理部材の保有期間を、製造終了後の10年間と定めているためです。

修理部材がなければ、当然修理は不可能となり、新しいエアコンの入れ替えが必要です。

賃貸エアコンの経年劣化による寿命は10年

メーカーやモデルによっても異なりますが、エアコンの耐用年数・寿命は10年程度が一般的です。10年以上使用していると、徐々に不具合が生じる可能性があります。

エアコンの経年劣化による不調が見られる場合は、10年を目安に買い替えを考えておくと良いでしょう。また、エアコンの製造年月日が不明な場合には、室内機の吹き出し口の下側に貼り付けてあるシールで、エアコンの型番、および製造年月日を確認できます。

ただし、エアコンの使用頻度、設置場所、定期的なメンテナンスの有無によっては寿命が短くなる場合があることに留意しましょう。

エアコンの平均使用年数は14.1年

エアコンの寿命は約10年といわれていますが、実際にはいつまで使えるのでしょうか。

内閣府の「消費動向調査(令和6年3月実施)」によると、ルームエアコンの平均使用年数は14.1年という結果でした。買い替え理由としては「故障」が最も多く、全体の約7割にあたる70.8%を占めています。

メーカーの修理部品保有期間や耐用年数から見ても、エアコンの寿命は約10年が目安ですが、実際には10年以上経過してから買い替えるケースが多いようです。また、買い替え理由が「故障」であることから、「壊れるまで使う」傾向が高いといえます。

ただし、賃貸物件において、エアコンなどの室内設備は、入居者の物件選びに重視するポイントのひとつです。省エネやお掃除機能を備えた最新エアコンを導入することで、入居者の満足度が向上し、その結果、空室対策や入居率アップにつながるでしょう。

※参照:内閣府「消費動向調査(令和6年3月実施)」9ページ

故障した賃貸エアコンの修理・交換費用は誰が負担する?

故障した賃貸エアコンの修理・交換費用は誰が負担する?

賃貸物件のエアコンを交換する場合、経年劣化によるものであればオーナーがその費用を負担します。しかし、故障した場合の修理・交換費用は、以下のパターンによってオーナー・入居者のどちらが負担するのかが決まります。

ここからは、故障した場合の修理・交換費用の義務について、パターン別に詳しく解説します。

  • オーナー設置の場合
  • 前入居者の残置物の場合
  • 入居者が設置・故意に壊した場合

オーナー設置の場合|オーナー負担

賃貸物件にあらかじめエアコンが備え付けられている場合、エアコンの修理・交換費用は原則オーナーが負担します。

厳密には、契約時の「重要事項説明書」や「賃貸借契約書」に、物件設備の故障や修理費用の負担について具体的な取り決めが記載されているため、これを確認することが重要です。

また、2020年4月の民法改正により、賃貸借契約において賃借物の一部が「滅失」、または「使用収益ができない状態」になった場合、家賃が「当然に減額される」ことが明確化されました。これにより、オーナーは賃貸物件の設備をより厳しく管理する義務が生じました。

「貸室設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」によると、賃貸物件のエアコンが作動しない場合、賃料減額割合(日割り)は10%、免責日数は3日です。

つまり、入居者からエアコンが故障して使えないなどの申し出があった場合、3日以内に修繕に向けた対応をしなければ賃料減額義務が発生します。

※参照:公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会「貸室設備等の不具合による賃料減額ガイドライン

前入居者の残置物の場合|契約内容によって異なる

前の入居者が自費で取り付けたエアコンをそのまま残していった場合、基本的には「残置物(ざんちぶつ)」として扱われ、修理や交換費用は新たな入居者の負担となります。

ただし、契約時に交付される「重要事項説明書」や「賃貸借契約書」に残置物が建物の設備として明記されている場合は、修理・交換費用はオーナーが負担します。

入居者が設置・故意に壊した場合|入居者負担

オーナーが設置、もしくは賃貸物件の設備と取り決めたエアコンであっても、入居者が故意に壊した場合は入居者が故障・交換費用を負担します。

例えば、掃除しようとしたら壊してしまった、物があたって破損してしまったなどの場合は、入居者負担です。自然災害などで故障・交換する場合は、オーナー・入居者の双方に責任がないため、オーナーがその費用を負担します。

また、入居者が購入したエアコンが故障した場合は、入居者が修理・交換費用を負担します。

賃貸エアコン交換時の費用相場・目安

賃貸物件のエアコン交換にかかる主な費用項目は、エアコン本体代、設置工事費、撤去工事費の3つです。これらの費用は、物件の間取りや部屋の広さによって異なります。

また、エアコンを同時期に取り付けている場合、全室のエアコンが交換時期を迎える可能性があります。この場合、部屋数分の費用が必要になるため、費用総額が高額になりがちです。そのため、交換時期に備えて、余裕を持った費用計画を立てる必要があります。

以下では、エアコン交換の費用相場・目安について解説します。ぜひ、費用計画を立てる際に役立ててください。

設置工事費用の費用相場・目安

エアコンの設置工事費用は、部屋の広さやエアコン工事を行う業者などによって異なりますが、約1万円〜1万7,000円が目安です。

対応畳数や付加機能に応じて、エアコン本体の価格も変動します。一人暮らしや学生向けの物件であれば、シンプルでコストパフォーマンスに優れているもので選ぶのがおすすめです。

ファミリー向けの物件であれば、間取りに応じた性能と設置台数を考慮する必要があります。エアコン本体の価格は、6畳用で4万円〜が目安です。工事費込みのエアコン設置費用の相場は以下のとおりです。

【エアコンの設置費用の相場(基本工事代込み)】

畳数費用の相場(税込)
6畳用6万6,000円~
8畳用7万円~
10畳用8万4,000円~
12~18畳用10万円~
20~26畳用17万5,000円~

そのほか、部屋の間取りや取り付け箇所、設備状況によっては、以下の追加工事費用が発生する可能性があります。

  • 壁の材質が特殊な場合
  • 配管パイプやドレン(排水)ホースが4mを超える場合
  • 配管設置のための穴あけ工事が必要な場合
  • エアコンの室外機の設置方法が特殊な場合 など

撤去工事の費用相場・目安

古いエアコンの撤去には、「取り外し工事費用」と「リサイクル料金」が発生します。一般的に、取り外し工事費用は5,000円前後、リサイクル料金は数千円程度が目安です。

壁掛け式の室外機がある場合や、エアコンが故障している場合には追加費用が発生する可能性があります。これらを合計すると、撤去費用は数千円〜1万円以上と考えておくと良いでしょう。

10年以上経過した賃貸エアコンのよくある質問

10年以上経過した賃貸エアコンのよくある質問と、その回答についてまとめました。エアコン交換に関わるトラブル防止のために、ぜひ参考にしてください。

Q.エアコンが前入居者の残留物だった場合、撤去費用は誰が負担しますか?

エアコンが前入居者の残置物だった場合、撤去費用は原則として前入居者が負担する必要があります。入居者が自費で取り付けたエアコンは賃貸借契約上、物件設備には該当しないため、現状回復義務として撤去が求められるのが基本です。

ただし、オーナーがエアコンの残置を許可した場合は、この限りではありません。この場合、残置物の所有権はオーナーに移ると考えられますが、撤去費用や管理義務を誰が負担するかは賃貸契約の内容によって異なります。

Q.入居者負担でエアコン交換する際の対応方法が知りたいです

まずは、賃貸契約時の重要事項説明書、または賃貸借契約書の「設備」を確認し、エアコンが設備なのか残置物なのかを確認します。

エアコンが賃貸物件の設備でオーナーに管理義務がある場合、かつエアコンの交換理由が故障によるものであれば、オーナーが対応しなければなりません。

エアコンが残置物の場合、契約書に扱いについて明記されていれば、それに従います。また、「重要事項説明書」「賃貸借契約書」でエアコンの管理義務がオーナーとなっている場合には、オーナーが交換対応しなければなりません。

入居者が自費で取り付けたエアコンの場合は、入居者が交換対応します。入居者とのトラブル防止のためにも、退去後の取り扱いについて明確にしておきましょう。

Q.入居者が自己負担でエアコンを取り付けた場合、退去時の原状回復費は発生しますか?

入居者が自己負担でエアコンを取り付けた場合、原状回復義務に基づき撤去しなければなりません。費用についても、入居者が負担します。

ただし、オーナーがエアコンの取り付けを許可していた場合、設置によるビス穴や壁紙の劣化は通常の消耗とみなされ、入居者の責任にはなりません。

退去時にエアコンを残置することについてオーナーと入居者間で合意がある場合、撤去は不要となり、エアコンはオーナーの所有物として扱われます。

Q. 入居者からエアコンを交換して欲しいと言われた場合は交換するべきですか?

交換理由が故障や不具合の場合、かつエアコンが物件の設置として提供されている場合は、オーナーが修理または交換対応する必要があります。

交換理由が故障や不具合以外であり、エアコンが使える状態であれば、原則交換対応する義務はありません。

エアコンが残置物の場合、「重要事項説明書」または「賃貸借契約書」でエアコンの扱いについてを確認します。残置物が故障した・不具合を起こした場合、修理や交換、撤去の責任を負わないことが明記してあれば、オーナーが対応する必要はありません。

まとめ

今回は、賃貸物件のエアコンの寿命や交換時期の目安、エアコンの管理義務、交換費用の相場・目安、よくある質問について解説しました。

賃貸物件のエアコンは、寿命や入居者との関係を踏まえ、適切な時期に交換を検討することが大切です。また、エアコンの修理や交換費用の負担については、契約内容に基づき、オーナーと入居者の責任範囲を明確にする必要があります。

入居者とのトラブルを防ぐためにも、契約内容を十分に確認し、迅速かつ適切に対応することが重要です。

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札幌市の「ドクターホームズ」では、賃貸物件のメンテナンス・修繕のトータルサポートを行っています。

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